ナノCMMの開発
ナノCMM(nano-CMM)は,ナノメートル分解能の三次元座標測定機を開発する研究である.測定範囲は10mm×10mm×10mmと狭いが,分解能は10nmを目指している.下図は,ナノCMMの基本構成である.
XYステージは,2本のシリンダーの上に2つのV溝で乗っている.V溝にはテフロンシートが貼ってあり,ステージはフリクションドライブ機構によって駆動される.ステージの動きは,ミツトヨ製のホロゲージによって検出する.

ナノCMMの基本構成
ナノCMMの開発で重要なのは,熱の影響をどのようにして低減するかということである.ここでは,同一材料(アルミ,シリコン,ゼロデュアなど)を使うこと,左右対称の構造とすること,できるだけ小さくつくること,熱源を離すことなどで,実現する.

熱応力の解析例
下図は,試作したナノCMMである.機構としての真直度100nm程度,繰り返し精度は,50nm程度となっている.ナノCMM用に開発したフリクションドライブである.この機構を用いることで,真直度50nm程度,繰り返し精度20nm程度を実現した.

試作したナノCMMおよびフリクションドライブ機構
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