6プレテンセグリティの作り方
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6パート・プッシュ・プル テンセグリティの作り方


正20面体構造になる,6パート・ブッシュ・プル・テンセゴリティの作り方を示します.この作りかたについては,以下のホームページが参考になりますが,ここで示した方法のほうが,きれいで丈夫なものができると思います.

棒の長さが 100 mm となる例です.完成すると直径 120 mm 程度になります.
バランスよく作ると,正20面体構造となるので,2つの平行な棒が作る長方形は黄金比となります.実際には棒の太さの部分があるので,少し違っています.



材料



1.棒


 この例では,ABS樹脂の棒を使いました.直径 5 mm のABS樹脂の棒(長さ 1 m)を3色(白,緑,黒)を新宿の東急ハンズで購入しました.価格は1本200円程度です.
 棒は何でもかまいませんが,比較的軽量で,加工しやすいものがいいでしょう.(重いと完成した形が重力で潰れてしまします) アクリルでは少し重く,加工もめんどうです.木材も適しています.一番簡単なのは,バルサ材でしょうか.


2.ゴム材(テグス)


 棒にテンションを与えるゴム材ですが,輪ゴムは均一性や丈夫さにも問題があります.そこで,手芸用(ビーズなどに使います)の伸びるテグス「オペロン」を使いました.これはポリウレタン弾性繊維を撚ったものです.素材としては,とても均一で丈夫です.この繊維で,ストレッチが入っている服を作るそうです.
 写真のものは,線径 0.8 mm のもので,20M巻が120円で吉祥寺西友の並びのビーズ店で購入しました.色は,青,ピンク,透明などがありました.







棒の準備



1.長さ 100 mm の棒を6本用意する


 ABS樹脂はカッターで切れ目を適当に入れて,手で曲げることで簡単にカットできます.3色の棒を2本づつ6本作ります.カットしたあとは,断面を紙やすりできれいにしておく程度でいいと思います.




2.両端に切り込みを入れる


 両端に深さ 3 mm 程度の切り込みを入れます.切り込みの方向は揃えてください.写真のように,薄刃の鋸(レーザーソウ)で切り込みを入れました.切り込みの幅は,薄いほうがテグスを入れたときに外れなくて都合がいいようです.
 黄色い板は,スペーサで厚さ 2 mm のボール紙です.スペーサを入れて切ることで,棒の真ん中に切り込みを入れることが,簡単にできます.







テグスの準備



1.長さ 140 mm 程度のテグスを本用意する


 実際に使うのは, 110 mm 程度ですので,少し余裕を見て 140 mm 程度のテグスを6本切ります.






2.50 mm ごとに5箇所にマークを付ける


 少しテンションを与えて,50 mm ごとに5箇所にマークをマジックで付けました.完成するとテグスのマーク間隔は,60 mm (100 mm の 0.6倍)程度になります.ゴム材の伸び率を考慮して長さを決めてください.
 使用したポリウレタン弾性繊維の場合,このくらいのサイズで,ちょうどよいテンションになります.





3.6本の棒に6つのテグスを取り付ける


 マークの位置を使って,テグスを棒の切り込みに輪になるように取り付けます.
 切り込みが薄いほうが,テグスをしっかり取り付けることができます.マークの位置が均等に,なるように少し調整しておきます.









組立て



1.針金を用意する


 組立ては,種々のやり方があると思います.はじめから接着していく方法,2人で協力して行う方法なども考えられますが,組み立ててから調整することも考えて,針金を補助的に使って,組立てる方法を使いました.
 長さ 60 mm 程度の針金を写真のように曲げたものを2本用意しました.柔らかいほうが,使い易いので「自遊自在」の 2 mm 径のものを使いました.この針金は,手で簡単に曲げられて色々な工作に使えます.

2.2本の棒に2本を針金を付けて並べる


 針金と緑の2本の棒を写真のように配置します.この状態はかなり不安定で,少し針金を曲げて固定したほうがいいかもしれません.








3.次の2本の棒を取り付ける


 2本の白い棒それぞれに対して,両端の切り込みに緑の棒のテグスに付けます.この状態はかなり安定しています.











4.最後の2本の棒を取り付ける


 2本の黒棒それぞれに対して,両端の切り込みに白の棒のテグスに取り付けます.この状態も安定しています.緑,白,黒の棒がそれぞれ直交する方向になっています.









5.黒の棒のテグスを緑の棒に取り付ける


 最後は少し大変で,まず片方の針金を外します.この状態で針金の代わりに,指で同じ場所を押さえます.写真の状態で,黒の棒のテグスを緑の棒の切り込みに取り付けます.
 次に,上下をひっくり返して,もう一方の針金を外して,同じように黒の棒のテグスを緑の棒の逆側の切り込みに,に取り付けると完成です.














調整と接着



1.テグスの位置の調整


 この時点では,テグスは棒の切り込みに入っているだけなので,少し力をかけて引っ張ると動かすことができます.
 各色の棒が平行になっていること,それぞれが直交していることを目安に,少しづつ調整します.比較的簡単に,全体のバランスが取れた状態に調整できます.



2.接着


 各棒の先の切り込みの部分に,接着剤を付けてテグスを固定します.接着剤には,セメダインのsuper X2を使いました.この接着剤は多用途で便利です.
 この後,余っているテグスを縛ると,より固定が強くなります.縛った後にも接着剤を付けています.







3.テグスの切断


 接着剤が乾いた後で,余ったテグスを切ります.これで完成です.
 接着剤が乾いた後では,写真のようにつぶすことが可能です.投げたり,落としたりしても方向によってはうまく弾みます.テグスはかなり丈夫で,1月に作ったものも,3ヶ月以上たっても変化はありません.