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三次元計測における不確かさ推定の研究



研究の目的と背景
三次元計測では,三次元測定機本体の不確かさ以外にも,測定対象,測定環境,測定戦略などの影響により,不確かさが変わるため,不確かさを正確に推定することが難しい.本研究では,種々の条件における不確かさを理論的に推定する手法を研究する.



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測定戦略,測定物の影響

測定戦略の影響:
同じ測定機,同じ測定物を測定した場合でも,測定戦略(測定点の数,測定点の位置)により,測定の不確かさは変化する.

測定形状の影響:
測定物の持つ形状偏差がランダムの場合,比較的簡単にその影響を計算できる.しかし,形状偏差が相関を持つ場合には,相関を考慮しないと測定の不確かさが計算できない.



誤差伝播による不確かさの推定

誤差伝播を利用して,測定戦略や測定物の影響を含めた不確かさを推定できる.式で,A はヤコビ行列で測定点の数や位置によって計算される.S は誤差行列で,CMMの測定の不確かさおよび測定物の形状偏差などで計算できる.

この計算結果として,P は測定結果の不確かさを表す.P を計算する場合に,測定偏差の相関を無視した場合,ランダムとして扱った場合では,推定された不確かさは異なる.図のような相関を持った形状の一部をデータ数 n で測定した場合の不確かさをグラフに示す.

グラフで,Pran がランダムの場合,Pr+c が相関を無視した場合で,しい不確かさのPcov と推定結果が異なっている.





円筒面の不確かさ
円筒面の測定結果の不確かさ解析の例